梁と、私のサスペンス。

私が小学2年生の頃の話。近所に廃墟があった。まるで刑事ドラマに出てくるような場所だ。

牛乳工場跡だ。

今は紙パックが主流だが、昔は瓶だった。瓶の割れた破片が、そこら中に散らばっている。

夜の工場は、サスペンスが起こりそうでロケにはピッタリな感じだ。

私は近所の子供達と、秘密基地を作って遊んでいた。大きな冷凍庫が放置されて鍵は壊れている。

夕方暗くなると、ろうそくで明かりを灯した。書きながら今では、考えられないなぁ〜とつくづく思う。

映画のスタンドバイミーみたいだ。以前にも引用したが、、。

大きな倉庫を探検し、屋根裏に上がる。

屋根裏に上がる階段などは無い。無理やり道なき道を進むのが、サバイバルだ。

屋根裏を歩く。隊長が、太い木の所を歩くんだ!と指令が入る。梁の事だ。

続く兵隊2名は、私は兵隊1だ。どうでも良いが。梁の上を歩く。ミシミシ、ギー、、ミシミシ、歩いていると少し慣れてきた。楽しい。

隊長の後ろを続く、、。何事も慣れた頃が一番危ない。薄いベニヤに足が乗った。

バリバリ〜ドォーん、、。

落ちた。

高さは3メートル位だろうか、。

10秒位気を失った。

イタタタ。落ちた場所は、管理人室の部屋の押し入れだった。

隊長と、兵隊2は、上から大丈夫かーと声をかける。私は大丈夫じゃ無いと泣いた。

次の日、学校を休んだ。身体が痛い。母には、屋根裏探検していたとは言えなかった。

暫くして、ロケ地に行った。

やばい!少し落ちる場所がズレていたら、コンクリートの上に、牛乳瓶の割れた破片が沢山散らばっていた。

良かった、本当のサスペンスにならなくて!