爆睡の、夜

もう何年前の話だろう。脱走を何時も企んでいる我が家の猟犬は中々素早い。猟犬と言っても小さな虫を捕まえるレベルだが、、

玄関ドアを油断して開けしまうと、ダーとダッシュで、近くの公園から河川敷に駈け降りる。さぞ楽しいだろう。3匹は、走る走る。

が!名前を呼びながら追いかける私はヘトヘトだ。

小さなシーズ犬だ。

3匹は何時も、遊び疲れたのか夜はいびきをかきながら毎夜爆睡する。

爆睡、、、。

 

あの日の夜も、、。

 

冬の真夜中、ドロボーが入った。

寝室は二階。

3匹の子豚、イヤ間違った。3匹の猟犬まがいの番犬は一階で爆睡だ。

廊下を泥棒が歩く。靴のままだ。

コツコツコツ、、、

もはや、

番犬でも、猟犬でも無い!ただの脱走兵、イヤ脱走犬だ。

どうしたんだ、起きないのか?起きてくれ!

 

居間のガラスをカッターで切り鍵を開けるプロだった。

私の財布から無いお金を盗み、早朝、次の家に入って、家人と格闘の末捕まった。

 

警察が訪ねて来た。

犯人が貴方の家に入ってお金を盗んだと言っていると、、。

玄関で3匹の子豚イヤ、我が家の番犬が、ワンワンワンワン、吠える。

 

今じゃ無いだろー!!

 

 

しかし、あの子達はもう今は居ない。懐かしい我が家の、爆睡犬。