島のおつかい

さざ波の音を聞きながら眠りにつき、ザザ、ザブン〜ザザ〜、波の音で目が覚める。祖父の島の家は、目の前が海だった。夏休みのある日、父から買い物を頼まれた。子供のおつかいだ!

何を?お父さん。

子供の足で20分くらいだろうか、山の中腹に有る竹田さんの所でタコを買って来いと言う。えー、嫌だ。タコなんか買いに行きたく無い。

竹田さんは家の前から見える海で、タコ取り漁をしていた。海底にタコ壺を沈め、翌日船で引き上げると、タコが入っている仕掛けだ。タコまで険しい山道だ。行きたく無いとごねる私に、父は仕方ないなと思ったのか買いに行った。良かった!おつかいは無しだ。

帰って来た。

アレ!大きなタコの頭がみえた。これがホントのタコ頭だ。何の話だ、、。

夏のタコ刺しが、今でも大好きなのは、子供の時の、あの日のタコがあったから、、

今は亡き父の思い出が懐かしい。