夢見る少女、

小学4年生の時の話を少し書こうと思う。放課後、仲良しの星子ちゃんと当時流行りの歌謡曲を、ハモリながら歌っていた。山口百恵ちゃんやピンクレディが誕生している。私と星子ちゃんは、スターへの階段を夢みていた。星子ちゃんは歌が上手い。私はビブラートが苦手だ。以前ブログにも書いたが、、。母の方が上手いのだ。今は婆の話では無い。

毎日放課後、教室の後ろで歌っていたら、先生が来た。

お前達、歌好きなんだな〜と言う。

あっ、はい、、。少し怖い先生だ。

当時の雑誌には、君もスターになりませんか!募集の広告が沢山あった。スター誕生全盛期だ。中森明菜ちゃんも誕生だ。アッ私の年がバレる、もうとっくにバレてるが、。もうそんな事どうでも良いのだ。

キラキラした衣装、スポットライト、マイクを持って私と星子ちゃんは、デビューしたい!夢見る少女だった。

が!星子ちゃんは塾がある。私は家の手伝いがある。

そんな夢を横目に日が過ぎた、、。まあ、現実はこんなもんだが。

ある日、少し怖い先生に呼ばれだ。何だ?何も悪い事していないが、、。来週6年生の卒業のイベントが有るからその後で、在校生から贈りの言葉として、歌ってくれないか?と言われた。

えーー!

少し意味がわからなかったがハイ!と答えていた。

当日、全校生徒が校庭に集合し卒業生への会が始まった。校長先生が挨拶し、卒業生代表の挨拶が終わった。

次だー!

少し足が震えた。

マイクを渡された。三段の鉄の台は少し錆びている。一段一段ゆっくり登った。小さなスペースだが、私たちには立派なステージだ。スポットライトの、太陽が眩しい。

衣装は普段着だ。流行りの曲を2曲歌った。1000人の拍手が聞こえた。

二人は階段をカンカン、転げない様に降りた。

 

懐かしい、スターへの階段は校庭にあった。

婆のルーティン。

私の母は、朝のルーティンがある。ウガイをガラガラ。喋り続ける為か?

アッ!カラオケ好きだからビブラート維持の為だ、喉は大切にしているのだ。ラジオを付け一人でぶつぶつ言っている。

誰とだ?

あーラジオから流れるパーソナリティとだ。まあ婆は、楽しそうだ。小さな庭の管理者が婆だが、約15種程の野菜を育てている。そうだ、野菜とも会話しているのだ。

山の鳥ともだ、ホーホケキョ、キェキョキェキョ。と婆が鳴く。本物の鶯もきっとびっくりだ。婆は、友達が沢山だ。

スクスク育った野菜は美味しい。有り難い。

ア〜お腹空いたぁ〜、朝から何も食べていないと言う。エッ!何も食べていないのか?

心配無用だ!婆の口癖だ。ご飯粒を食べていないと言う。

が!

果物、お菓子、野菜、味噌汁、焼き魚などなど、私の倍、

食べているだろー!

太っているじゃ無いかぁ〜と呟く。

毎日この呟きが、私のルーティンになっている、、。

夜桜と、怖いキャンプ!

私を見てと言わんばかりに桜が咲きほこる。夜桜も綺麗だ。私も綺麗と言われてみたいが、まあ、仕方無い。

怖い話は真夏に多いが、今日は少し怖い話を書こうと思う。

アレは何年前だろう、友達に誘われてキャンプに行った。何を焼いて食べようかな!買い出しは楽しい。ワイワイしながら皆んなで火を囲む。

波の音が心地いい。癒される。

海は湾になって砂浜が長い。波の音がザワ〜ザワ〜、とても綺麗なキャンプ場だ。遊歩道がぐるりと、キャンプ場を囲む散歩コースになっている。

薄暗くなった。

焚き火が一段と明るい。薪がパチパチ音がする。オレンジ色で綺麗だ。いつまでもボーと、眺められる。

私は山を背に、海を見ながら椅子に腰掛けている。遊歩道が続く、街灯が消える前だ。

あ、

1人の女性が散歩をしている、ストライプのシャツにベイジュのベストだ。白いパンツで颯爽と歩く。

奥は暗い道になっている。消えて行く様に歩く、、?

後で考えたら70年代風のファッションだ。女性は暗闇の中だ。ぐるりと回って出て来るだろうと、じっと目を凝らすが、気配が無い、、。

アレ、、、?

今は、冬だからコート無しでは寒すぎる、、。

ギャー。

目が薪みたいに、パチパチとなった。焚き火が、ゆらゆらと揺れている、、。不気味に思えてきた。

ロケーションが整った!ミステリーの世界に1人突入だ。

トイレが離れている。行けなくなった。

あー何もかも怖くなった。帰りたい!今すぐ帰りたいのだ。癒されるどころでは無い。波の音まで、不気味に聞こえ始めた。ザブ〜ンザザザ〜、、。

突然、恐怖のキャンプになった。

長い夜がやっと明けた。

朝だ朝だ!ザワ〜波の音が、心地よくなった。

楽しいはずの、キャンプなのに、何だかなぁ〜、、、。

自然は教えてくれる。

高速道路で橋を渡る。橋からの眺めは絶景だ。左手には今治造船所が見える。世界の海を航海する船を造っている。何十メートル有るのだろう大きな船は圧巻だ。カッコいいのだ。

青い瀬戸内海から幾つもの島が見える。深い緑の景色が広がる。

来島海峡は潮の流れが早い。渦が巻いている。私はこの海が大好きだ。潮の流れが複雑だから、魚は身が締まって美味しい。人間も人に揉まれ苦労した分だけ人として味がある。

島に渡り、遊覧船で橋の下を通る。下から見上げる橋は大きい。この構造物を創り上げた苦労は計り知れない。

渦巻く海流を目の前で見ると凄い迫力だ。自然の力を目の当りにすると、自分がちっぽけに感じて来る。小さな事で悩んでいても、大したことじゃ無いと言っているみたいだ。

自然から教えられる事は多い。言葉じゃ無く心に訴えてくるから沁みるのだ。自然の中に自分の身を放り込む事もたまには良いんじゃ無いかなって思う。

眠りかけていた、人間の五感が渦巻き目覚めて来る。

さあ、今日も自分らしくでいい、歩いて行こう!

絶景と、恐怖

私が子供の頃、野生児だった事は以前にも書いたが、夏休み祖父の島でのサバイバル体験を書こうと思う。

島の子供は逞しい。友達の家に遊びに行く時は、山の近道を教えてくれる。道なき道を歩く。海が下に見える、

崖っぷちの道だ。

岩場を登って又降りる。こんな所に家が有るんだなぁ〜と子供ながらに思った。一番仲の良かったヨシ子ちゃんが言った。あのね、私小さい時ここの崖から落ちたんだよと、

えー!

ここから、、。覗き込む、ゾォ〜、、まさしくサスペンスだ。あー、だから片足が不自由だったのかと、その時初めて知った。

祖父の家の横に大きな池が有る。海の横だ。岩場の海水が自然に出入りするから、海のプールだ。魚も泳いでいる、

池の中央に大きな岩が沈んでいる。子供の足が付く深さだ。そこまで浮き輪で泳いで岩の所で遊ぶのだ。よし着いた、立った。

アレ!足が痛い。

ギャ〜!!

ウニを踏んだ。痛すぎる。泣きながら浮き輪で陸地まで泳ぐ。お母さん〜。病院など無い。今思い出すだけでゾッとする。島のサバイバルは半端無く痛い!危険が目白押しだ。

 

防波堤で父と二人。

石でウニを割っている。食ってみろと渡された。オレンジ色のウニ。

恐る恐る食べた。アレ、甘〜いね、お父さん!

ウニは痛かったけど、亡き父が食べさせてくれたウニの味が忘れられない、、。

 

可憐な桜

 

桜が満開だ。花言葉は、希望、愛情、幸福。良い花言葉だ。花見の起源は奈良時代約1300年前からみたいだ。母も約70年以上前から、花見花見と言っていたのだろう。

今年も呟いている。

婆を花見に誘う。ワン!と答える。NOは無いのだ。

話しは違うが、車で通る度、何時も気になっていた林檎の木がある。毎年100個位の実を付ける。見事なのだ。

林檎の花も綺麗だ。よし!今日は林檎の花の写真を撮ろう。近くの空き地に車を止めてササッとスマホで写真を撮る。

エッ?横の塀の上に登って上から撮ったら、と婆が言う。

嫌だ!無茶振りだ。危険が私を待っている。

近くの公園の桜も綺麗だが、河川敷の桜が水面に映る風景も好きだ。木の幹と枝のうねりが可憐なのだ。幹にそっと手を当ててみる。植物からパワーを貰う。植物の神秘は計り知れない。

 

エッ!

チューリップが綺麗だ、写真を撮ってと言う。桜じゃ無いのか?!

持ち歩いているデジカメは、どうしたんだ。こんな日に撮らなくていつ撮るんだ。と心で呟く。

 

婆が帰りの車の中で呟く。今年も、桜が観れて良かった。

婆よ、来年も元気で、又桜を見よう。

そうだ来年はお弁当を作って食べよう。

 

桜の木の下で!

 

「林檎の花」