母の故郷は、昔と同じように風が吹いていた。頬に優しくも切ないのは、遊んでいた幼馴染みが皆んな居なくなっていたからだ。婆は叔父に、ヨシ子ちゃんは?隣のけんちゃんは?記憶の引き出しを少しずつ開けている。
実家に建物は無いが、この辺に釜戸があったなぁ〜とか言いながら歩いている。
そうだ!河川敷に行ってみよう。遠くに見える橋を指差し、あの橋から川に飛び込んで遊んでいたと婆が笑う。
あの高さから、、。やばい高さに全員引く。
夕食は、いとこの居酒屋に食べに行った。
突然婆が宮崎牛が食べたい〜!と私に呟くが
皆んなに聞こえている。居酒屋だからステーキは無いんじゃぁ〜と心で2回叫ぶ。
今夜は叔母の家に泊まらせて貰う予定だ。有り難い。叔父は明日の朝、皆んなでモーニングに行こうと提案し自宅に帰った。
が!
翌朝、もうにんぐ場ってどこに有る?と叔母が言う。
えーー!
さぁ!もぉ〜ニングを食べに行こう。