一つ歳をとる様に今年の夏が過ぎた。来年の夏は?あたりまえの様で、あたりまえでは無い時もある。今の時間が貴重。
すっかり秋めいて、秋風が人恋しさを連れてくる。
森に出掛けよう。国道沿いから脇道を入り約30分車を走らせると森の香りが清々しい。
大きく深呼吸してみる。身体が少しずつ浄化されている気持ちになるから不思議だ。
身体に溜まった電磁波も森が吸い込んでくれる。
あっ、山道入り口に流木の杖が用意されている。私には杖は必須アイテムだ。
山の獣ヨケ、突然戦いの時は武器になるからだ。いったい何の動物と戦うのか?
転ばない様にとか、歩きながら石とか無駄にコンコン叩いてみたり楽しい。
夏に来れば良かったなぁ〜、水遊びしたい、なんて考えながら、山の奥に奥に歩いている。30分程歩くと、突然岩陰から巨大な絶景が現れた。
四千年前の自然の力は凄いパワーだ。
川床は巨大な一枚岩で、滝が流れる両脇の岩は龍の腹や尾と呼ばれ、神秘的な自然の造形にただ時間を忘れ眺めていた。四千年前にタイムスリップしたみたい。
ヨシ!滝の裏側まで近づいてみる。
遠くから見ると水しぶきが激しいけど、近くで手を伸ばすと、滝は優しく私を受け入れてくれそっと触れる事が出来た。
森の鼓動と、山から染み出す水が私の心の水脈となって流れ始める。
生きていると、毎日毎日色んな事があるけれど、日常と違う森の空気に触れる事もいいと思う。
四季織りなす森はいつでも、待っていてくれるから、
自然の中では言葉はいらない。
私をとり囲んでくれる木々が、心に語りかけてくれる。
瞳を閉じて、自分の身をその場所にたたずませるだけでいい。
帰り道
コスモスが、又おいでよと
風に揺れていた。